問題社員への対応

問題社員への対応

遅刻や早退を繰り返す問題行動のある社員への対応はどうすべきか。何度注意しても改善されない場合など、企業の労務管理上の適切な対応について解説。

遅刻早退を繰り返す社員への対応

 

企業が取るべき対応策
業務に影響がないからと言って、 遅刻を繰り返す社員をそのままにしておくことは好ましいことではありません。本人だけの問題ではなく、一緒に働く他の社員にも悪影響を与えかねません。

 

遅刻・早退を繰り返す社員に対しては、会社としては、毅然とした態度をとるなど適切な対応が求められます。

 

 

 

遅刻した分の賃金カット
労働基準法ではノーワーク・ノーペイの原則というものがあります。ノーワーク・ノーペイの原則とは、 「働いてないのならば、賃金は払わない。」という決まりごとのことです。一般職の社員の場合なら遅刻した時間分の賃金は当然カットできます。

 

 

 

懲戒処分
さらに、賃金カットに加えて、減給処分(懲戒処分)などの処罰的な不利益処分を科すことも一定の条件のもと可能となります。ただし、懲戒処分(減給処分・解雇)を課すためには、 就業規則にその旨を明記されている必要があります。何もも明記されていないのに、懲戒処分を課すことはできません。

 

 

さらに、減給処分にも一定の制限があります。「減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、かつ、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えては ならない」と言うものです。

 

 

例えば、1日分の平均賃金が10,000円の社員が遅刻などをした場合、 懲戒処分としての1回あたりの減給額としては、最大でも5,000円までということになります。

 

 

ただし、この場合でもいきなり懲戒するといよりも、まずは会社としての指導実績が問われますので注意してください。

 

 

 

遅刻社員への会社の対応策

 

  1. 遅刻のつど注意することを忘れないで下さい。少しぐらいならいいいかという気持ちが後々大きな問題となることがあります。
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  3. 会社の労務管理の客観的な事実・指導実績を残しておいてください。労働時間の把握(タイムカードの記録)はもちろんのこと、始末書の提出や会社がどのように対応したかを文書で残します。
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  5. 就業規則に遅刻・早退常習者への懲戒規定をしっかりと明記してください。再三指導しても改善されない場合などの規定も盛り込んでおきます。
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